【学問のすすめ】を読む。現代のサラリーマンが考えること。

Book
現代語訳 学問のすすめ/著者:福澤 諭吉,訳:齋藤 孝

誰もが知る人物、福澤諭吉による著書の現代語訳バージョンです。学問のすすめは読んでみたいが、国語が苦手な理系サラリーマンの僕は、昔の言葉で書かれていると理解する事が難しいので、こちらの本を選択しました。

かめてつ
明治維新を駆け抜けた偉人の著書に触れたい人

現代語訳なので読みやすい

本を読むのにかかる時間 約3時間

超有名なあの言葉から

天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず

引用:現代語訳 学問のすすめ

人はみな同じ権理(権利)を持って生まれるのに、賢い人とそうでない人との違いが生まれるのは、学ぶか学ばないかによってできるものである、というところから話しが展開されます。続いて、普通の生活に役立つ実学を一生懸命にせよとも述べられています。

僕が今年受けた「宅地建物取引士」は、今の職業を続ける限り全く必要の無い資格ですが、建設業で働く限り知っておいたほうがいい内容があります。結果的に不合格だったので資格取得には至らなかったのですが、この本を読んだことで少しは人生の役に立ったかなと思うことができました。

「普通の生活に役立つもの」が最初からわかれば苦労はしませんが、意識して、選択して、行動して、継続していれば何かしらには役に立っていそうですよね。本ブログは「行動」までしましたが、まだまだ継続していると胸をはっては言えないので(本記事で13個目)、堂々と言えるようになるまで続けていきます。

計画と難易度と時間のバランス

世間でことを企てている人の言葉を聞くに、「一生のうちに」だとか、あるいは「十年内にはこれを成す」という者は最も多い。「三年のうちに」「一年のうちに」という者はやや少なくなり、「一月のうちに」「今日計画して、いままさにやる」という者は、ほとんどいない。

引用:現代語訳 学問のすすめ

耳が痛い言葉です。世のインフルエンサー達が言う「まずは行動することが大事!」と言っていることは同じだと思います。

2019年も残りわずか。年初に目標を立てる人は多いと思いますが、2019年は皆さんいかがでしたでしょうか?僕は6個の目標を立てて実際に行動したのはその内の2つだけで、残りの4つは行動すらしませんでした。ちなみに行動した2つは結果を残せなかったので今年は目標達成ゼロです。

年が明けるときっと僕はまた、目標を立てると思います。簡単に達成できる目標では意味がありませんが、すごく困難なものもやる気が削がれます。そして、使える時間にも限りがあるので難易度×時間のバランスを意識して程よい目標を立てようと思います。

そして、年明けに目標を立てるとそれがゴールになって一旦満足してしまいそうなので、仕事納めから大みそかまでの間に目標を立て、年明けすぐに行動に移すことをここに誓います。

判断力の鍛え方

信じる、疑うということについては、取捨選択のための判断力が必要なのだ。学問というのは、この判断力を確立するためにあるのではないだろうか。

引用:現代語訳 学問のすすめ

例として、ある学者先生に心酔しているひとりの若者が、その先生の夜ふかしを学んで健康を害することがあれば、これは賢い者のやることではない、と述べられています。これは極端な例ですが、事の善し悪しがわからないことだとありえない話しではないですよね。

江戸時代の終わりころ、開国して新しい文化がどんどん入ってくる日本では、今では想像できない目まぐるしい変化があったことと思います。それの善し悪しを判断しながら、日本を成長へと導いていくのは並大抵のことではなかったでしょうね。

社会に出たての新入社員たちは、右も左もわからずさぞや不安なことが多いことでしょう。僕のような中堅サラリーマンたちは経験値の分だけ判断力は増しますが、それは思考が停止している表れでもあります。それらが絡み合えば、両者ともさらに学べそうです。

あとがき

福澤諭吉のパワフルさを感じられる本でした。日本を変えようとしていた明治維新の頃の人はみんなパラフルですが、その気配を感じたい人は手に取ってみてはいかがでしょうか。

慶應義塾大学の創設者であり、一万円札の肖像となっている福澤諭吉はまぎれもない「偉人」ですが、猛烈で痛快な別の一面も持っているようです。また、別の機会に紹介します。